2012年7月11日水曜日

島は奪われたり奪われなかったり

  結局、奪われたんですけれどね。



  WH生活を少人数で穴居人のごとくエンジョイしていた私たちだったのですが、POSを破壊され、撤退を余儀なくされました。

  ある日、いつものようにログインしたら、POSが Reinforce モードになっていたわけで。
(※Reinforce モードとは、POSなどのシールドが30%を割り、なおかつストロンチウムという資材が保管されている場合にそれを消費して発動する、一定期間の無敵状態をいいます。
  破壊はできなくなりますが、施設のほとんどに対するアクセスもできないので、この間に進退決定やそれに伴う資材搬入出、人員確保を行うことができます。)

「ああ、とうとうこの日が来たか。思ったより早かったな」
  と、しみじみ思いました(遠い目)。
  Reinforce 解除まで48時間ほどあったので、手近な船だけでも回収して帰ろうと思っていました。
  研究しているBPOはこうした危険を考慮して、高くてもCL程度のものだけで、そのまま放置しても問題ありません。
  搬入資材や艦船も、そんなに高価なものは持ち込みませんでした。
  Logistic 艦(シールドやアーマの修復に対して、高い性能を持つ艦船)に乗れるのは、おそらく私を含めても社内では2~3人程度ですから。



  ところが、翌日になってみたら、NACHO の Akira さんをはじめ、数人の方が協力してくださる話になっていました。
  WH在住の、おしゃべりなメンバを詰問した(あんたねー、まさかと思うけど、余計なことをぽろっと話して助力を求めるようなことしたんじゃないでしょうね?)ところ、WHの穴が見当たらないと騒いでいたら話の流れでそうなったらしいです。

  そこまでの危険を冒してまで守るべきかは迷ったのですが、なくなってしまうのは確かに痛手です。
  お言葉に甘えてPOS修理のお手伝いをしていただき、私たちはその護衛をすることになりました。

  Reinforce 解除になるのは日本時間の0時過ぎ。
  私もログインして今まで使う機会もなかった Gallente の Stealth Bomber(通称:死んだ蛾)を搬入しました。

  協力してくださる方を誘導するのは、他のメンバにお願いしました。

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  この Stealth Bomber、実はASの使い勝手に気をよくして、がんばってスキルを取ってL3ミッションで使ってみたことがあります。
  EFTでの数値はまずまずだったのです。
  ええ、ええ。
  そりゃひどいものでしたよ。
  お金とスキルに余裕のある方は、ぜひミッションにトライしてみてください。
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  順調に Shield は回復、午前3時過ぎの睡魔もおしゃべりしながら乗り切り、むしろ心地よいくらいでした。

  そして、回復もまもなく終わる頃になって、最初のときと同じ襲撃者がやってきました。
  Tengu をはじめとしたT3やらBSやら、複数艦による波状攻撃を仕掛けてくるのですが、こちらは装備も人数も不十分で、応戦することすらろくにできない状況です。

  死んだ蛾の Bomb でダメージを与えても致命傷を与えるには至らず、Naga の超遠距離狙撃も Tengu の防御力の前にはたいしたダメージを与えられません。
  POSに残された武装も破壊され、Offline になっているものを逐次 Online にして時間を稼ぎ、逃げ道の確保を開始しますが、System 内に存在しているWHはすべて Bubble(Warp Disruption Field)によってふさがれています。
  POSになす術もなく閉じ込められた状態になってしまいました。

(※Warp Disruption Field とは、Sec Lv 0.0 以下で使用可能な、ワープ妨害フィールド発生装置のこと。
  妨害強度は100で、実質、一度入ったら逃げる術がなくなってしまいます。
  外見がシャボン玉のように見えることから、Bubble の通称が付いたようですが、その凶暴さと絶望感は計り知れません。)

  ついにはPOSにも Bubble を展開されてしまいました。

  ただ、直前に指示があり、真雪を残して全員POSから離脱することができました。
  真雪は、引き続き Sentry Gun の Online とコントロールを行って、時間を稼ぎます。

  私はその間、脱出ルートの最有力候補である WH の周辺を、ただただ見張っていました。
  Bubble が途切れる隙を狙って、離脱するのが狙いです。

  POSから離脱したメンバは、SS(Safety Spot)を転々としながら、策を練り、あるいは Probing で可能な限り様子を確認しているようでした。



  肉体的にも限界に近い状態で、精神的にも極度の緊張にさらされ、絶望的な時間を長く過ごしました。
  私と真雪以外の人がPOSを離れてSSめぐりを開始してからも、数十分は経過したと思います。

  不意に。
  敵集団が撤退を開始しました。
  Bubble も解除され、POSを攻撃していた敵艦も、次々に去ってゆきます。

  私たちがログオフしたと思ったのか、別の逃げ道から逃げたと勘違いしてくれたのか、とにかく撤退するチャンスが突然めぐってきたのです。

  全艦いっせいに、ついさっきまで Bubble が仕掛けられていたWHへ飛び込み、Lowのゲートからゲートへと飛び続けました。
  POSの Bubble も解除され、真雪も(POSと運命を共にする気はなかったようで)無事にWHを飛び越えることができました。



  最終的にPOSは奪われ、持ち込んでいただいた Logistic 艦(回復特化型の艦船)をはじめ収容資材の多くは失われましたが、BPOをはじめとした回収の容易な資材は無事に回収し、誰一人として Pod を破壊されるようなことはありませんでした。

  協力してくださった NACHO の方には船代をお返しすることさえできない有様になってしまっていて、とても申し訳ない気持ちですが、損失はできるかぎり抑えることができました。
(きっと借りは返すからね!)(襲撃した人たちには返り討ちに遭うと思うので仕返ししないですが)
  なによりPOSの建設から運営、防衛と撤退のオペレーションまでを経験できたことは、本当にスペシャルなことだったと思います。

  もっとも実際の指揮はすべて Akira さんにお任せしっぱなして、私は初めての事態におろおろしっぱなしで指示に従うしかできず、今思えば情けないことこの上ありませんでした。

  この場を借りて(そしてずいぶん期間が空いてしまいましたが)NACHO から協力に駆けつけてくださった3名の方々(あえてお名前は公表いたしませんが、お名前もご恩も決して忘れていません)には、改めてお礼の気持ちを申し上げます。
本当にありがとうございました。
(T2弾薬ならいつでも作って届けますからね!)



  なにより、絶望的な状況下に気圧されて、すっかり諦めはじめていた私に「つららさん、大丈夫だから。ちゃんとみんなを逃げられるようにするから」と励ましてくださって、そのうえ本当に脱出を実現してくださった Akira さん。
  私一人では、あの状況下で諦めることなく、脱出を成功させることは絶対にできなかったと思います。
  あの言葉が、最後まで私を支えてくれました。
  心から、敬意と感謝を表します。
  ありがとうございました。





<後日談>
  WHにあるメンバの Alt が残って再構築の隙を窺っていたのですが、彼はある日あっさり再襲撃に遭い、PODでSSを巡回する羽目に……(笑)。
  ええ、自殺して帰ってきましたよ(^m^)

  その後、FS社のメンバは High Sec での活動に復帰。
  採掘イベントを開催したら、WHのときよりも大きな反響で多くのメンバが参加してくださったりして、主催者に軽く嫉妬しましたw

  私と真雪は、Minmatar の Local で「Caldarian は国に帰れ! ここはお前らの来る場所じゃない!」とか英語で罵られつつも、ミッション業務と残骸回収、それを利用した生産と開発に専念しています。
  以前は雑用しかしていなかった真雪ですが、最近はシールド防御の Myrmidon に乗って、Tank 役をしたりしています。

  POSについては、ちょっと懲りていて、今は何も考えていません。
  Low までちょっと飛べば、MEくらいなら3日待ちの場所もけっこうありますからね。
  誰かが Carrier でも乗るようになったら(あるいは私が作りたくなったら)また挑戦してみようかしら。

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